ズッキーニは、80年代からスーパーなどに出回りはじめた比較的新しい野菜です。ヨーロッパでは一般的な野菜で、ズッキーニと言えば、タラトゥーユ(南仏の郷土料理)を思う浮かべる方も多いのでは? ちなみに「ズッキーニ」はイタリア語で、英語では「サマースクワッシュ」、本家のフランスでは「クールジェット」と呼ばれているようです。
 クセのない味わいや、火を通したときのやわらかな食感は、ナスに通じるものがあります。煮てよし焼いてよし、生でも食べられ、今では1年中入手できるお手ごろ野菜となりました。

ズッキーニはカボチャの仲間!

 見た目は太ったキュウリですが、カボチャの仲間です。植物の分類としては同じウリ科でなのですが、キュウリはキュウリ属、ズッキーニはカボチャ属です。しかも、ハロウインによく登場するペポかぼちゃと同類だそうです。
 よく見かけるズッキーニは、20cmくらいの緑色をした、キュウリのひと回り大きい細長い形状をしています。他にも黄色いもの、縞模様のもの、コロンとしたまるい形のものなど、いろいろなズッキーニがあります。

ナス感覚で食べられる
ナスよりもっとクセのない野菜

ズッキーニは夏野菜、旬は7~8月です。

美味しいズッキーニの選び方

基本的にズッキーニは、果実が未熟なうちに食べる野菜です。適時に採らないと、どんどん大きく成長して1m近くになる個体も出てきます。大きくするのは種取り用に残しておくものだけです。

  • 太さがきゅうりの2~3倍ほど、長さは20cm前後までのズッキーニを選ぶ
    大きいものは育ちすぎで、大味だったり種も大きくなっている可能性があります。
  • 太さが変形している場合があり、太さが均一のものを選ぶ
    野菜の変形は、なんらかストレスがかかった状態だったか、あるいは栄養要素不足が原因だったりします。

苦いズッキーニは要注意!

ゴーヤのような苦いズッキーニは食べてはいけない

 ズッキーニをはじめとするウリ科の野菜は、ククルビタシンという毒素を多かれ少なかれ持っています。きゅうり、かぼちゃ、ゴーヤ、メロン、スイカとかですね。ククルビタシンをたくさん摂取すると中毒症状(吐き気や胸やけ、腹痛など)が出たりするので注意が必要です。近年、夏野菜の先祖返りが注視され、ククルビタシンを多く含んだ夏野菜が市場に出て問題になったりしています。
 キュウリのヘタのあたりが渋かったりした経験があると思いますが、苦みや渋みは外見からはわかりません。ズッキーニも同様なので、ヘタのあたりをなめて確認するしかなく、渋かったりニガかったりあるいは薬品ぽい、しびれる感じがしたら食べない方が賢明です。加熱でククルビタシンは分解されません。なお、この渋かったりニガかったりですが、ニガイ気がするくらいではなく、ものすごくニガかったり渋かったりする場合が毒だと判断できます。ズッキーニの料理で、すくなくともゴーヤを食べたときのような苦みを感じたら食べてはいけません。
 では、ゴーヤを判断する場合はどうするのでしょう? ピリピリとした苦みだそうですが、それは専門家に聞いてくださいね。 

ズッキーニの保存方法

ズッキーニは、割と保存が効く方の野菜ですが、購入したら冷蔵庫で保存して、早めに使いきりましょう。

ズッキーニ栽培カレンダー

ズッキーニは開花後5〜7日の未熟果として収穫します。そのまま放置するとどんどん大きく成長して、1mを越すものができたりします。

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ズッキーニの美味しい食べ方は?

ズッキーニはナス同様、油をよく吸収するので生で食べるより火を通す料理に向いています。特にオリーブオイルで炒めるとβ-カロテンの吸収率がアップすると言われ、ズッキーニとオリーブオイルはまさに黄金コンビ!

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地元でしか食べられない期間限定の味わい

花ズッキーニ

小さなズッキーニに黄色い花がついた花ズッキーニ! 開花直前のズッキーニを収穫したもので、花はしおれてしまうので出荷しにくいため、市場に出回ることはほとんどありません。花つきの部分は苦みがあるので、取り除いて食べます。とれたてはシャキシャキしていて、サラダやお浸しにしたり、お汁に彩りとして浮かべても良い感じです。ヨーロッパでは、花の中にチーズを詰めてフリットにした料理が定番だそうです。