サトイモは、芋の種(種芋)を植え、発芽すると種芋の上でまずは親芋が大きく成長します。径の真下にできる大きな芋が親芋になります。種芋が親芋になるわけではありません。種芋は養分が使われしぼんで消えていきます。種芋から複数の芽が出ると、大きな親芋にならず、子芋の量や大きさに影響するので、芽かきをして1本の径だけにしています。

親芋の周りから芽が出て成長すると子芋になります。この子芋をしっかり育てて、孫芋がたくさん付くようにします。中には子芋から茎が伸びて葉を付け、親芋のようになるものもあります。

子芋から芽が出ると孫芋になります。形の良い芋になるのは、ほとんどが孫芋です。子芋は、親芋とつながり、複数の孫芋とつながるので、接続部分(背と呼びます)がたくさんできます。末端の孫芋になると、接続部分は1点だけなのでキレイな円もしくは楕円の芋が採れます。

親芋は食べられる⁉

親芋は食べられるけど食感がまるで違う

親芋は量が少ないので、一般の市場には出回りませんが、ひとつのボリュームが大きく直売所などで売られていることがあります。
親芋も調理して食べられますが、ただし、親芋は繊維質が多いので食感が子芋や孫芋とはまるで違います。固さがあって筋っぽいので、サトイモ定番料理の煮物や汁ものには向きません。別の料理方法で食されています。

円空サトイモの特徴

 

昔、このあたりの地域で栽培されていた土垂というサトイモの品種から、葉が土に向かって垂れ下がっているんですよ。

美味しいサトイモの選び方

土付きのサトイモを選ぶ
土が付いていて、イモの表面にすこし湿り気があり、模様がなるべくくっきりしたものを選びましょう。サトイモは洗うとカビが生えやすくなるので、土付きの方が長持ちします。ビニール袋の内側に水滴が付いているものは避けたほうがいいですね。

きれいな丸や楕円のサトイモを選ぶ
ヒビ割れやくびれがあるサトイモは、生育途中で水分が切れたりして生育にムラが生じたものです。また、コガネムシ等になめられたものはキズとなって凸凹しています。

ウスいもは避ける
緑色がかったものや臼のようになったイモは、食感が悪く味も落ちるので避けます。生育途中で地面から顔を出していまい、日光に当たったもので、固くなったりしています。

芽ナシは避ける
芽ナシイモは、高温障害や石灰不足などの要因で起こるとされていて、傷みやすいので出荷はされません。直売所などでは売られていることがありますが、保存には適しません。味は変わらないと思うのですが……

親芋は美味しくない!
親芋を美味しく食べられる品種もありますが、円空など多くのサトイモの親芋は食感が悪く美味しくありません。ボリュームがあるのでお得な感じですが、サトイモコロッケにするなど、料理の工夫が必要な食材です。

サトイモの保存方法

サトイモは、温度や湿度の変化に弱い、けっこうデリケートな野菜です。10~25℃の暑すぎず寒すぎない環境で、直射日光はNGです。湿気はカビの原因となるのですが、乾燥には注意が必要です。

  • 基本は、常温で保存
    秋から初冬にかけては、直射日光があたらない玄関や廊下で保存できます。風通しがいいとさらに良いですね。土は付いたままで、乾燥を防ぐためペーパータオルとか新聞紙に包み、さらに紙袋に入れておくといいでしょう。適切に保存すれば、1ヶ月は十分持ちます。
  • 野菜室で保存
    温度や湿度が安定している冷蔵庫の野菜室ですが、サトイモをそのまま保存すると低温障害がおきたり乾燥したりするので、ペーパータオルや新聞紙でひとつづつ包み、ビニール袋に入れて保存します。ただし、サトイモから出る水分で紙が湿ってきて、そのままにするとカビの原因になるので、3~4日ごとに紙を取り替えてあげます。
  • 冷凍保存 ◀ 皮むきが楽‼
    サトイモはそのまま冷凍保存ができます。サトイモを水洗いして土を落とし、水気を拭いてラッピングし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ入れます。2~3個まとめてラッピングしてもいいですね。
    ラップに包んだまま電子レンジで解凍すると、つるんと楽に皮がむけます。冷めるとむきにくくなるので熱いうちにむきましょう。