アスパラガスは多年草!

 アスパラガスはヨーロッパ原産で、清涼な気候を好みます。日本では明治以降に栽培されるようになったそうです。新鮮ならば生でも食べられ、さまざまな料理に使用される定番の野菜のひとつですね。
 アスパラガスは野菜のなかでも珍しい多年草です。長いものだと、ひとつの株で10年以上も収穫できたりします。

注目の「採りっ切り栽培」

 アグリアルテでは、次世代のアスパラガス栽培方法と言われている採りっ切り栽培を行っています。この採りっきり栽培は、産官学のコラボレーションによって生まれた農法で、明治大学農学部農学科の野菜園芸学研究室を中心に、パイオニアエコサイエンス株式会社と東京都多摩市ほか2市による共同開発で誕生した栽培方法とのことです。
 従来のように、何年にもわたり同じ株から収穫するのではなく、1年で株を更新していく方法ですから、長く圃場を独占しないため、輪作計画に組み込むことができます。これにより病害の発生を抑えられます。

新陳代謝を促進するアスパラギン酸

 アスパラギン酸は、アスパラガスに多く含まれるアミノ酸です。体内でのエネルギー生成にを活発にして疲労回復に役立ち、利尿作用があって毒性があるアンモニアを体外へ排出、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを細胞に運ぶ働きがあるそうです。
 うま味成分でもありますが、水に溶けやすくはありません。

アスパラギン酸は、昆布やチーズなどに含まれるうま味成分として有名なグルタミン酸と同じうま味成分のひとつです。

美味しいアスパラガスの選び方

アスパラガスの旬は3~8月で、特に5月前後が美味しいと言われています。輸入も盛んにおこなわれていますから1年中スーパーに並んでいますが、みずみずしい鮮度が命の野菜ですから、輸入ものはどうしても一歩味が劣ってしまいます。

  • 穂先が締まっているものを選ぶ
    アスパラの命は鮮度を保つ水分です。時間経過とともに穂先からハリがなくなってきます。穂先が固く締まったものを選びましょう。
  • 均一に太ったまっすぐなもの
    径のあるものが水分たっぷりで美味しいと思うのですが、細い種類のものもあります。鮮度が落ちてくると穂先の下あたりが細くなり、全体的に曲がってきます。
  • 切り口が乾いていない
    新鮮なものは切り口がみずみずしくしめっていて、根本まで張りがあります。しわがあったり、茶色くなったものは避けましょう。
  • 鮮やかな濃い緑色のものを選ぶ
    色鮮やかさが残っているものは、柔らかくて美味しいですね。

アスパラガスの保存

 アスパラガスは、時間がたつにつれて水分か抜けて固くなっていきます。購入したら保存せずに、なるべく早く食べるようにしましょう。
 とはいうものの、冷蔵庫で保存するときは乾燥しないように袋に入れるかラップで包むか(濡れた新聞紙も昔から使われます)して、乾燥させないことがいちばんです。そして、穂先を上にできるだけ立てた状態で保存します。

 アスパラガスを冷凍保存する場合は、少しでも早く凍らせて組織内の氷の結晶を小さくすることで食感の劣化を抑えるようにします。出来るだけ大きな鍋で水を沸騰させ、一気に下茹でします(2-3分程度)。茹であがったら大量の水で荒熱を取り、しっかり水を切って冷やします。ほどほどに冷めたら直ぐに凍らせた後、保存パックに入れて冷凍庫で保存しましょう。